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ビゲン 歴史エピソード

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懐かしの
昭和レトロ!

広告史研究者と紐解く、
パッケージデザインに見る
ビゲンの歴史とは?!

懐かしの昭和レトロ!

ホーユーの歴史は、明治38年の水野甘苦堂の創業から始まります。
その後、明治42年に初の染毛剤を発売以降、
株式会社朋友商会、ホーユー株式会社と名前を変え、
成長を続けていました。

ビゲンブランドは、昭和時代に画期的な粉末タイプの
染毛剤「ビゲン」として誕生します。
その後も「ビゲンヘアカラー」や「ビゲンクリームトーン」などの
大ヒット商品へと展開。
看板ブランドとして、ホーユーを日本の染毛剤市場の
トップへと成長させてきました。

今回は、ビゲンブランドの誕生初期から
現在までのパッケージデザインに注目。
広報担当の梶原が、
広告やパッケージに関する著書を多数執筆している
同志社大学社会学部メディア学科教授の
竹内幸絵先生とともに、振り返ります。

研究を重ねてきた商品をいかにお客様へ届けるか、
先駆者たちの弛まぬ努力と並々ならぬ熱意が見えてきました。

竹内

竹内

広告史研究者・竹内幸絵

同志社大学社会学部 メディア学科 教授。神戸大学大学院国際文化学研究科修了(博士)。サントリーミュージアム[天保山]学芸員を経て現職。専門は広告史、デザイン史、歴史社会学。編著に『近代広告の誕生: ポスターがニューメディアだった頃』『開封・戦後日本の印刷広告: 『プレスアルト』同梱広告傑作選〈1949-1977〉』など。

梶原

梶原

ホーユー株式会社・梶原秀一
社長室 広報課 課長

絶妙な色味で
今も愛されるパッケージ
「ビゲンホーユー」

(左)昭和32年発売の「ビゲンホーユー」(右)ビゲンホーユーをリニューアルして作られた「ビゲンA」

(左)昭和32年発売の「ビゲンホーユー」
(右)ビゲンホーユーをリニューアルして作られた「ビゲンA」

梶原

梶原

こちらが昭和32年に発売され、現在まで続くビゲンブランドの最初の商品にあたる「ビゲンホーユー」(上図左)です。水に溶かすだけで手軽に使える粉末タイプの染毛剤で、「美人元禄」から「美」と「元」を取り「ビゲン」と名付けられました。そして黒よりも明るい髪色のニーズが増えたことから、昭和33年に黒褐色の「ビゲンB」と栗色の「ビゲンC」が生まれました。「ビゲンホーユー」は、黒色の「ビゲンA」としてリニューアルしたんです。

時代のニーズに応えて誕生した「ビゲンC」「ビゲンB」「ビゲンA」

時代のニーズに応えて誕生した
「ビゲンC」「ビゲンB」「ビゲンA」

竹内

竹内

二色に色分けされたパッケージは店頭で映えますよね。小さな箱ですが遠くからでも見つけられそう。薄いグレー、カーキ、緑、という絶妙な色合いが面白いです。黒ではないけれど白髪染めの色として見てどの色も違和感なく受け入れられる、おしゃれな色を選ばれているなというのが第一印象でした。

梶原

梶原

私どもには見慣れた商品ですので、新鮮な視点に感じます。

竹内

竹内

おそらくこの三つの色にこだわってデザインされたと思われます。そのこだわりが「色」を扱う会社ならではだと感じました。色の意味をお客様に伝え、手に取ってもらうため、高くアンテナを張って色を選んでおられたのだろうなと。

梶原

梶原

この頃、広告業界としてはどのような時代だったのですか?

竹内

竹内

昭和30年代は、印刷広告が最も盛り上がっていた時代です。高い技術が費用を抑えつつ実現出来るようになっていました。もちろんテレビは既にありましたが、この頃のテレビはまだ白黒が主流だったので、雑誌広告やポスター広告などの印刷メディアのほうが支持されていましたし、企業も多くの予算を注ぎ込みました。そんな時代に生まれた商品ですので、パッケージも色についてかなり考えて作られた様子が窺えます。

消費者の意識変化に
合わせて生まれたデザイン
「ハイビゲン」「ビゲンパール」

(左)「ハイビゲン」(右)「ビゲンパール」

(左)「ハイビゲン」(右)「ビゲンパール」

梶原

梶原

「ハイビゲン」(上図左)はハケ塗りの白髪染めで、二剤を混ぜて塗布するという使い方です。のちのシャンプー式の基礎となった商品ですね。「ビゲンパール」(上図右)は昭和40年に誕生した日本初の水溶性一時着色料です。リップスティック式で白髪が気になる部分のリタッチに、手軽に使える商品です。

竹内

竹内

ここまで潔くシンプルなデザインなのはなぜだろうと考えていたのですが、ビゲンパールは使い方を伺って納得しました。リップスティック式で手に取ってすぐにわかる。使い方を間違えることはありませんね。使い方が難しくなく、説明しなくていい商品だったのですね。

梶原

梶原

使い方は、箱の中に使用説明書を同封するようにしています。

竹内

竹内

パッケージで説明をしていない理由は、昭和という時代になり、ヘアカラーは「混ぜて塗るものだ」という認識が社会に定着したからだと考えられます(※)。そうじゃないと、ここまでモダンで大胆なデザインにはしづらいと思うんです。プロ向けの、業務用みたいなパッケージにも見えます。

(※)明治・大正時代にはヘアカラーの使い方がまだ一般に浸透しておらず、いかにわかりやすく説明するかに苦心してパッケージがデザインされていた。

梶原

梶原

たしかに、業務用製品の雰囲気に似ています!

竹内

竹内

業務用製品には外箱に説明が要らないですからね。消費者向けで説明が必要なヘアカラー剤でここまで振り切ったデザインにしたこと自体が、かなりの英断だと思います。何かしらの調査を元に「ビゲンといえば毛染め、毛染めは二剤を混ぜておこなう」という理解を既に消費者が得ていることを、ホーユーさんは確認されたのでしょう。だからこのようなスタイリッシュなパッケージを出されたのだと思います。

議論の末に誕生した
ハイセンスなパッケージ
「ビゲンヘアカラー」

(昭和46年、万博の翌年に発売された「ビゲンヘアカラー」

(昭和46年、万博の翌年に発売された
「ビゲンヘアカラー」

竹内

竹内

「ビゲンヘアカラー」はかなり前衛的なデザインですね。遠目に見ると髪の毛だと分からないかもしれません。写真を使った当時の先端のデザインだと思います。

梶原

梶原

「ビゲンヘアカラー」のパッケージは「こんなデザインでヘアカラーだと分かるのか」「店頭で耳が並ぶことになる」と議論があったそうです。ですが「仕上がりの髪色をしっかりと見せたい」ということで、このデザインが採用されました。

竹内

竹内

優れたデザインだと思います。たしかに「ここまで部分的に切り取って分かってもらえるのか」と心配になりますが、考えてみてください。今日のSNSなどの投稿には目元や手元のアップなど見せたい部分だけをトリミングした写真が多いですよね。そういう意味での新しさがあります。この頃のポスターなどでは見受ける手法ですが、パッケージではあまりない見せ方です。

梶原

梶原

当時の店頭写真を見ると、棚一面に並んだ時のインパクトはかなりありますね。

竹内

竹内

インパクトは間違いなくあったでしょうね。しかもパッケージにまったく日本語がなく、英語で書かれた「Bigen」の文字だけという潔さ。

梶原

梶原

初めてこのパッケージを見て、海外製品だと思った社員もいたそうです。

竹内

竹内

この商品が発売された昭和46年は大阪万博の翌年にあたり、万博で海外のデザインに触れた消費者が大勢いたと考えられます。当時はミニスカートも流行っていたオシャレな時代でしたし、万博で新しいものに触れたお客様に売る、というマーケティングがきちんと当たったんですね。

梶原

梶原

万博の翌年というのは盲点でした! 英語のパッケージにも納得です。

テレビ時代の到来を告げる
「ビゲンエリート」
「ビゲンクリームトーン」

(左)初めてタレントを起用した「ビゲンエリート」(右)史上初のクリームタイプ「ビゲンクリームトーン」

(左)初めてタレントを起用した「ビゲンエリート」(右)史上初のクリームタイプ「ビゲンクリームトーン」

梶原

梶原

「ビゲンエリート」(上図左)は粉末のビゲンと全く同じ使い方です。「明るいしらが染め」と銘打った明るい色味が特徴です。パッケージに人物の顔を使ったのは、これが初めてですね。

竹内

竹内

先ほどお話しした広告業界の文脈ですと、70年代にはカラーテレビ、電波メディアが広告の主流になっていきます。パッケージにも、今の言葉で言う(テレビCMで)「映(ば)える」デザインが模索されるようになります。一方当時のブラウン管では髪の細かな質感までは再現できなかったので、テレビコマーシャルは笑顔の女優さんが映る画に落ち着いていたのでしょう。店頭でそのようなコマーシャルと関連付けて思い出してもらえるように、パッケージにもモデルの顔がわかる写真を入れたのだと思います。そう考えるととてもテレビ的なパッケージですね。

梶原

梶原

「ビゲンクリームトーン」(上図右)は史上初のクリームタイプのカラー剤です。クリームタイプは10年近く試行錯誤を続けた末に生まれた、念願の商品でした。以前までは一度開封したら使い切らないといけなかったのですが「クリームにすれば分けて使える」と考えていたんです。発売当時は非常に力を入れていました。

竹内

竹内

一つ前のデザインよりも正面が説明的である理由が納得できました。染色剤の形状が新しく変わったからなんですね。画期的な商品開発を前面に出したパッケージは、テレビコマーシャルとも連動して商品を広める力を持ったでしょうね。

梶原

梶原

クリームトーンは予想通り売れてくれて、現在でも35年以上続くロングセラー商品ですね。

ライフスタイルが変わり、
ヘアカラーが当たり前に
「レディースビゲンスピーディー」

時短に注目して作られた「レディースビゲンスピーディー」

時短に注目して作られた
「レディースビゲンスピーディー」

梶原

梶原

こちらは「クリームトーン」の流れで生まれた「レディースビゲンスピーディー」ですね。使いやすさの次は「時短」に注目し、メンズとレディースどちらも作られました。

竹内

竹内

引き続きテレビコマーシャルの影響を感じるデザインで、右肩上がりのレイアウトにスピード感がありますね。こちらは仕上がりの色によってパッケージの色は変えていないんですね。

梶原

梶原

モデルの髪の仕上がりの色だけ、少しずつ変えています。

竹内

竹内

これはお客様に色番号の意味が浸透したことのあかしなのでしょう。「ビゲンのヘアカラーならば色展開がある」としっかり理解されたから、箱の色を変えなくても大丈夫になったんでしょうね。そのぶんパッケージの印刷コストも下がったでしょうから、電波広告に費用が投入されていったことも推察できます。

梶原

梶原

そうですね。また色のバリエーションも圧倒的に増えました。ビゲンスピーディーは現在は7色まで増えています。ですから色番表記だけになったという背景もあります。

ずっと、いい髪色で暮らそう。
時代は令和へ、
ビゲンブランドが目指すもの

ずっと、いい髪色で暮らそう。平成から令和へ、ビゲンブランドが目指すもの

こうしてパッケージの歴史を振り返ってみると、「おしゃれを楽しんで欲しい」という当時の開発者たちの想いと熱意が感じられ、改めて襟を正さねばと感じました。
現在も、私たちは末永くビゲンを愛用してもらうため、女性の願いにそっと寄り添っていくパートナーとなれるよう、お客様に合わせた商品開発やパッケージデザインを行っています。

『お客様が手に取りたくなるような商品をお届けしたい』その想いは令和になった現在も変わらず、これからも変わることはありません。

ビゲン 歴史エピソード ❶ ビゲン 歴史エピソード ❶
超重要標本の毛色を復元せよ!

ビゲン 歴史エピソード

2

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